美術展命の男のブログ

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モネ、ピカソ、モディリアーニ アサヒビール大山崎山荘美術館

asahi beer the never ending journey of creation

アサヒビール大山崎山荘美術館に初めて訪れました。

とっくに閉幕しましたが、開館20周年記念「終わりなき創造の旅-絵画の名品より」を見てきました。

アサヒビール大山崎山荘美術館は1996年4月に開館し、今年で20周年を迎えました。私がこの美術館の存在を知ったのは1998年頃だったでしょうか。所蔵品カタログを入手し掲載されたモネの睡蓮5点を含む8点ものコレクションやピカソ、モディリアーニなどの名品を見て心躍らせたものです。関西には何度か行っていますが、他の展覧会を優先してしまいなかなか行く機会がありませんでした。西洋絵画コレクションがずらりと並ぶ光景が見たかったので今回の展示は見なければと向かいました。約18年越しの願いが叶いました。

初めての地だったので最寄のJR山崎駅より無料の送迎バスに乗りました。美術館への道のりはゆるやかな坂はある認識でしたが、結構な坂だと思いました。重い荷物を持っていたりキャリーケース引いて歩いたらきつそう。帰りは歩いて帰ったのですが、天候が悪いとちょっと危険ですね。転んだらそのまま落ちていく様な坂に思えました。(笑) 

バスを降りても坂を歩いて上ります。旧車庫だったというレストハウスのコインロッカーに荷物を預けていざ美術館へ。

asahi beer sansou

美術館のごあいさつより

アサヒビール大山崎山荘美術館は、関西の実業家・故加賀正太郎氏が大正から昭和初期にかけ建設した「大山崎山荘」を創建当時の姿に修復し、安藤忠雄氏設計の新棟「地中の宝石箱」などを加え、1996年4月に開館しました。

平成のはじめは荒廃していたそうで取り壊してマンションが建つというところに近隣の方が大反対をして京都府や大山崎町から要請を受けたアサヒビール株式会社が一肌脱いだということだそうです。素晴らしい!

まず入ると歴史を感じる重厚なお屋敷って感じで受付とミュージアムショップになっていました。そこを抜けて安藤忠雄氏設計の「地中の宝石箱」へ。

asahi beer chichuu

美術館を紹介するいろんな本でこの光景を見てきました。環境に配慮しその名の通り地中へもぐります。

asahi beer stairs

反対側の階段からの眺め。

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階段の先には凄い緑と池が。

地下の自動ドアを開けて中に入ると円形の展示室があります。そこに今回はモネ4点、ボナール、クレー、シニャック、マルケが掛かっていました。

モネは《エトルタの朝》、2点の《睡蓮》、《日本風の太鼓橋》。

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クロード・モネ 《エトルタの朝》 1883年 65×81cm

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クロード・モネ 《日本風の太鼓橋》  1918-1924年頃 89×93cm 

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クロード・モネ 《睡蓮》  1914-1917年 200×200cm 

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クロード・モネ 《睡蓮》  1914-1917年 150.5×200cm

近寄って見たり離れて見たり時間をかけて楽しみました。マルモッタン美術館所蔵のモネ展もびっくりの素晴らしいコレクションです。

話しずれてモネ展の思い出。モネ展は東京、福岡、京都を巡り、そして現在は新潟県立近代美術館で開催中ですが、私は東京都美術館で鑑賞しました。最後のフロアに《日本風の太鼓橋》シリーズなどジヴェルニーの庭で描かれた作品がずらりと並んでいました。近くで見ると何が描いてあるかわからないくらいの激しい筆致と色彩で描かれていてそのフロアに並んでいる作品がすべてそうなのでこういうモネを見に来たんじゃないと正直思ってしまいました。がこの考えは誤りだったとすぐ気づかされます。

モネ展の会場を2周して閉館間際に最後のフロアに上がると大混雑していた展示室に人がほとんどいない状況になっていました。展示室の入口に立つと10数メートル先に並んだ《日本風の太鼓橋》たちがくっきりと浮かび上がり、他の庭を描いた作品たちも陽光で眩しかったり大気に霞んでたりといったようにまるでそこにモネの庭があるかのような光景が見えてきて「こ、これは」と鳥肌が立つ勢いでした。最初は人だかりが気になって会場全体をじっくり見ようとしていませんでした。がらんとした展示室で遠くから作品を見るとこんなことになっていたのかと凄く感動しました。

太鼓橋はアサヒビールも所蔵してるんだよなぁなどと何点も出ていた《日本風の太鼓橋》を見ながら思っていたのでそれを思い出しながら京都で有り難く鑑賞。

アサヒビールの200×200cmの睡蓮やっぱいい!マルモッタン美術館 モネ展に柳が水面に映り込む200×200cmクラスの睡蓮が出ていましたが、このサイズの睡蓮が何枚も並ぶモネ展を見てみたいです。川村記念美術館で睡蓮の大作がいくつか並んだ展覧会がありましたが、また見たい。国立西洋美術館や地中美術館の睡蓮の大作集結しないかな。

モネコレクション全8点が出ていると勘違いしていてちょっと残念だったのですが。全8点が揃う機会は今秋予定されている「うつくしいくらし、あたらしい響き-クロード・モネ」 で国内のモネコレクションを合わせて約20点のモネ展をやるとのこと。これも見たい!

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ポール・シニャック 《ヴェネツィア》 1908年 73.5×95.0cm

モネの絵の向かいにはモネの個展を見て画家を志したとも言われているシニャックの風景画。

asahi beer bonnard
ピエール・ボナール 《開いた窓辺の静物》 1934年

90年代に刊行された所蔵カタログに掲載されておらずいつ所蔵されたのかわからないのですが、いつからかネットで画像をみかけるようになってボナールも所蔵しているんだと知りずっと見たかった作品。

卓上の静物、室内、窓から見える船がボナールの美しい色彩で描かれています。ただただ素晴らしい。縦長の画面の人物画はボナールの作品でよくありますが、卓上と室内を描いたものでこういったかなりの縦長作品は珍しいと思います。

国内にボナールの作品は人物、裸婦、入浴、風景、静物など主要なテーマは揃ってますが意外や意外、こういった卓上の静物と室内を描いた作品がなかなかないんですよね。ブリヂストン美術館やメナード美術館に静物がありますが対象にぐっと寄った構図です。愛知県美術館に《子供と猫》というテーブルにつく少女と猫2匹を描いたかわいい作品がありますが、こちらの明るく開放的な作品とは異なった印象の作品になります。国立西洋美術館に1933年頃に描かれた縦長の構図の《花》という作品の隣りに展示したら互いに引き立てあってよさそうです。

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パウル・クレー 《大聖堂(東方風の)》 1932年 20×51cm

クレーの名品も所蔵しているんですよね。長いこと見たかった作品。クレーの点描作品は図版で見ると不思議な感覚を受けることがあります。この作品はオレンジの銅のパネルを細工したように見えたりもします。新潟市美術館所蔵の《プルンのモザイク》は細かいタイルを敷き詰めた作品なのかと思っていたのですが、水彩・グアッシュによる平面作品でした。この作品にもそんな感覚がちょっとあったのですが普通に平面作品でした。不思議な絵。

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アルベール・マルケ 《アルゼの港》 1940年

マルケの作品はいつも曇りのイメージがあります。晴れなのでしょうがどことなく曇りな感じ(笑)。水色が綺麗な作品でした。

地中館から地上へ上がり山荘の中へ戻り、2012年にできた安藤忠雄氏設計による新棟、山手館「夢の箱」へ移動。

asahi beer pond

山荘から睡蓮の池が望めます。右側に写る通路で夢の箱へ。

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エドガー・ドガ 《バラ色の踊子》 1878年

まずはドガのパステルがお出迎え。少し高い位置から踊り子を捉え、下方から強い照明が当てられ胸元に陰ができています。傾げた頬もライトで浮かび上がり顔上方が若干暗めになり、あの怖い顔になりそうな描写が見事に描かれています。背景も丁寧に描かれ質の高い作品だと思います。このレベルのドガの踊り子を持っている美術館は国内にどれだけあるでしょうか。山形美術館の吉野石膏コレクションくらい?

asahi beer modigliani
アメデオ・モディリアーニ 《少女の肖像(ジャンヌ・ユゲット)》 1918年

アサヒビールがこの作品を所蔵していると知った時は驚きました。こんな素晴らしい作品を持っているんだと興奮したものでした。この作品を見るのは2008年に国立新美術館で開催されたモディリアーニ展以来でしょうか。久々!モディリアーニと言えば空虚感というか悲壮感というかそういうのが漂う感じがしてこの作品も瞳がありませんが、なぜだか愛らしさが全面に出ていて健康的なモディリアーニという感じがします。

asahi beer renoir
オーギュスト・ ルノワール 《葉と果実の飾りのある若い裸婦》 1905年頃

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パブロ・ピカソ  《肘をつく女》 1902年

貴重な青の時代のピカソ。メランコリックな表情をした女性がうずくまっています。モディリアーニと打って変わってこちらは悲壮感全開。ポーラ美術館やひろしま美術館にある青の時代の描き込まれた作品とは対照的にこちらは薄塗りのような、かすれたような印象がありますがそれもまた独特の画面を作りだしていて前者とは違った魅力的な作品です。

ピカソは《横たわる女》 1950年頃も展示されていてピカソと一目でわかる絵でした。初期と晩年にさしかかるころの作品が対照的で面白かったです。

ピカソの青の時代とバラ色の時代に焦点を当てたピカソ展が愛知県美術館とあべのハルカス美術館で開催されました。両方の会場で見ることができたのは幸せでした。

ポーラ美術館やひろしま美術館、アサヒビール大山崎山荘美術館の青の時代のピカソは当然出ていると思っていたのですが、いずれも所蔵館や他の展覧会への貸出のためピカソ展へは出ておらず、国内の青の時代の油彩は愛知県美術館所蔵の1点だけでした。国内の作品を多く借りて海外からもちょこんと借用だろうと思っていたので国内のコレクションに頼りきらずに開催したことに脱帽しました。キュビスム以降は国内コレクションで固められていましたけどね。

青の時代の油彩6点(大阪展は1点減って5点)、バラ色の時代の油彩3点と国立国際美術館所蔵のグアッシュ、パステルによる傑作《道化役者と子供》がメイン作品で出ていましたが、もし国内にある青の時代の作品も揃っていたら10点近くの青の時代が展示されたのでさらに見応えのあるものになっていたでしょうね。

アサヒビール大山崎山荘美術館への訪問は初めてでしたが、こちらの所蔵品に初めて触れる機会だったかと思う展示が国立西洋美術館でありました。1998年9月15日-1999年3月7日 にかけて「アサヒビール・コレクションの名品 20世紀初頭の人物画」という小企画展が開催されました。その時にモディリアーニ、ピカソ、今回展示されていないルオーの立派なサイズの《貴族的なピエロ》の3点が新館の1階に展示されました。企業からコレクションを借りて長期間の小企画というのは当時画期的だったと思います。国立西洋美術館にはこの3人の作品は所蔵されてはいますが、モディリアーニは紙作品、ピカソの油彩は晩年の作品、ルオーは小品の所蔵なので痒いところに手が届くような展示で常設展に素晴らしい彩りを添えていました。国立西洋美術館は機会があれば今後もこのような...と言っていたかと思いますが、それ以来見たことがありません(笑)。またやってほしい!

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フィンセント・ファン・ゴッホ  《農婦》 1885年

ゴッホの初期作品。かなり暗い作品。外のカラスがなんだか意味ありげ?ゴッホの初期作品は結構日本にありますね。吉野石膏コレクション(山形美術館)、諸橋近代美術館、和泉市久保惣記念美術館、ウッドワン美術館、東京富士美術館、光ミュージアム、新潟県立近代美術館に個人蔵の作品が寄託されていたり...。

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ジョルジュ・ルオー 《聖顔》 1929年 46×64cm

2008年に「青のコレクション-ピカソの青、モネの青」という企画があって青の時代のピカソやモネの睡蓮、ルーシー・リーの器などとこちらも展示されました。「青のコレクション」見たかった!絵画や陶芸、染色作品を約100点が展示されたようですが、そんなに青いものがあるのかー。

ルオーはこの他に《聖書の風景》 1956年を展示。

asahi beer chagall
マルク・シャガール

シャガールはこのほかに《ヴィテブスクの上空で》 1914年頃 を展示。

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アルベルト・ジャコメッティ 《ヴェネツィアの婦人Ⅷ》

藤田嗣治《メキシコの男》 1933年も展示されていました。本当幅広いコレクションです。

絵画だけでなく山荘では陶芸家 バーナード・リーチの水墨画、濱田庄司のやきもの、朝鮮古陶磁の研究家 浅川伯教と思想家 柳宗悦が朝鮮半島や日本各地で蒐集した工芸などが並んでいました。

地中館には風景、山手館には人物が登場する絵といった感じに分かれていました。風景画を見ていろんなところを旅する、ピカソやゴッホの初期作品、モネの最晩年の睡蓮を見て画業という名の旅を見る、いろんな国、ジャンルの作品を見て行くのを「旅」になぞらえた展覧会でした。旅って便利な言葉(笑)。

アサヒビールの西洋絵画コレクションやっぱり凄かった!一挙に並ぶと壮観でした。やっと一堂に見ることができました。多くの作品はいろんな展覧会で見たことがあるものでしたので再会できてとても嬉しかったです。名品でも大作でも重要な展覧会と判断すれば快く貸し出されているという証拠です。素晴らしいことだと思います。西洋絵画コレクションは30点ほどなのでしょうか。決して多いわけではありませんが粒揃いでいつまでも眺めていたい作品ばかりでした。どんどん増えていくといいなあ。

そういえば、2階へ上がる壁面にはコンスタン・トロワイヨン《農耕》が常設されていました。2階のテラスからの眺めも最高でした。

それからミロの彫刻が館内に点在していましたね。緑と水が豊かな庭園にも様々な彫刻がありました。西洋絵画すべてが展示されていたわけではなく他にもにルノワール、ルオー、ヴラマンクの花と風景画などもあるようでいつか見られる機会があればと思います。

asahi beer garden

また来るよー。
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